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Technology へようこそ
ここは技術者の「経験」と「ノウハウ」のブログです


2009年10月22日

Windows Azure Platform

先日、マイクロソフトのパートナー企業向けに開催されたWindows Azureセミナーに参加してまいりました。
Azure(アジュールと発音していました)ってのは、今流行りの「クラウド」ってヤツです。

これまで個人的には、クラウドって代物はどちらかというとインフラ絡みの要素が強いのではないか?、とか、デベロッパー、特に弊社のような弱小ソフトハウスはまったくもって出る幕なしなのでは?、といった印象を持っていたのですが、一口にクラウドといってもいくつか種類があるようで、インフラとサービスをコミコミで提供するいわゆる「SaaS」といったものから、IDCの機能を持ったインフラのみを貸し出す「HaaS/IaaS」、インフラを含むアプリケーションの実行環境(OSやストレージ)を主にベンダーに対して提供する「PaaS」と呼ばれるもの、などがあるようで、今回のWindows Azure Platformは「PaaS」に属するもののようです。
要は「インフラはマイクロソフトが面倒見るから、そこで動くアプリケーションはデベロッパーさんが考えて作って、顧客にサービス提供してくださいよ。」みたいな感じ。

どうやら自分が抱いていたイメージは「SaaS」に対するものだったようで、「PaaS」形態のほうはむしろ自力でインフラ周りを構築、維持できない中小SIerやソフトハウスが利用してサービス構築するのにうってつけなのでは?、といった見方ができるようになりました。
もちろん中小だけでなく自前でIDCを運用しているような大手企業にとっても、コスト如何では顧客への選択肢が増えるはずなのでメリットがないわけではなさそうです。
作ったサービスがうまいこと当れば、労せずしてサーバを世界規模にまで対応可能なレベルにスケールアップできてしまう(もちろんそういうことが可能な設計にしておく必要はありますが…)という話にはちょっと心惹かれるものがあります。

ちなみにAzure Platformの機能として提供されるものは大雑把に言うと2つあって、ひとつは仮想マシンのCPUパワー(実際にはIISの機能に相当)、これがWindows Azureと呼ばれるもので、もうひとつがAzure StorageやSQL Azureと呼ばれる仮想ストレージ。本当はもうひとつ.NET Servicesというキーワードもあるようですが、こちらは割愛w
Windows Azure ≒ Windows Server、SQL Azure ≒ SQL Serverみたいなイメージらしく、AzureをServerに読み替えると分かりやすい、みたいなことも言っとりました。

で、そういった環境下で動く肝心のアプリケーションのほうですが、ASP.NETアプリはセッション管理の方式などに若干考慮が必要となるものの、基本的には従来の開発手法と同様でオケ、とのこと。
また、バックエンドで動作するワーカープロセスもサポートされているので、Webアプリが絡まないバッチ処理的なことに利用することもできるようです。
ストレージのほうは前述のAzure StorageがいわゆるKey-Valueストア的なもので、SQL AzureはSQL Serverと同様の機能をもつRDBMSということのようです。
Azure Storageのほうが機能が少ないぶん低コストで使えるようですが、一応簡単なトランザクションを実現する機能も備えているようなので、込み入ったことをしない限りはSQL Azure無しでもイケそうな感じ。
ちなみにSQL Azureに関しては、当面1データベースあたり最大10GBの容量しかサポートしないそうなので、利用シーンはちょっと限られてしまうのかもしれません。
ま、そんなこんなで、.NETアプリのデベロッパーであれば、あまり苦労することなくAzure環境に移行できまっせ、というのがマイクロソフトのアピールポイントのようです。
ちなみに、Python使いの方々はGAE (Google App Engine)を使ってください、とのことw

以上が、Azureの簡単な概要ですが、おそらくクラウドベンダーの最大の関心事はコストの問題。いったい幾らかかるのよ、と。
使ったぶんだけ払いの従量制の場合、インスタンス毎のCPU使用時間、ネットワークの帯域使用量、格納されているデータ量(ストレージの場合)、これらそれぞれについて課金されることになるようで、事前に見積もるのはかなり難しそうな気配。
定額制やボリュームディスカウントといった、そのほかの料金体系については正式リリースとなる11/17に米国で開催されるPDC 09で明らかにされるようですが、今のところ最終的なコストメリットが如何ほどのものになるのかは謎。
まぁ、プライベートIDCの維持、運用がそもそもどれくらいかかるのかも知らないので比較のしようもないのですが、インフラコストは当然サービス受益者であるエンドユーザにも転嫁されます。このご時勢、エンドユーザーの興味はもっぱらコスト面に向いているのはマイクロソフトも承知のことでしょうから、あまり法外な料金体系にはならないものと期待しておきましょう。

何ともとりとめなく書いてしまいましたが、最後に、こういったクラウド環境の普及を想定した場合、我々開発者としてはこれまで以上に「非同期処理」や「疎結合」といったスケーラビリティを考慮した設計、実装についてしっかりと学んでおく必要がありそうです。

[ posted by ken ]
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2009年04月11日

サイトリニューアル

先日実施した弊社サイトのリニューアル。

いまひとつ具体性に欠けていた各ページ文言の見直しをするついでに、デザイン的にもう少し垢抜けた感じにしたかったので、最新のMS社製Webデザインツール「Expression Web 2」(以下、EW2)を使ってみることに。

いつも最終的にはテキストエディタで手打ち調整する羽目になるHTMLの作成ですが、さすがに最新のツールはなかなかに良くできていて、統合環境内のプレビューイメージが実際のブラウザによる表示結果と大きくかけ離れることもなく、昔のFrontPageなどと比べると格段に使いやすいものでした。

特に便利だったのは「ダイナミック Web テンプレート(dwt)」と呼ばれる仕組み。
事前にテンプレートとなるページを用意しておくことによって、各ページを統一的なレイアウトで作成できるという代物です。
もちろんテンプレートの内容を変えれば、各ページにその変更が反映されるようになっています。
今回、ブログ以外の静的なページには全てdwtを適用しています。
ちなみにブログのほうはEW2は使わず手打ちでチマチマと書き換えたのですが、スタイルシートをごっそり変えてしまったこともあり、マトモに表示させるのに一晩丸々かかった次第。エラく苦労しました…。

いまどきのWeb標準なんてのも勉強不足であまり詳しくなかったりするのですが、HTMLとCSSが分離されていても統合環境内でちゃんとリンクしていて一発でスタイル定義が参照できたりしてエラく便利。テキストエディタだけではここまでスムーズにはいきませんからね。

機能を使いこなしたとは到底言えないレベルでしか触れていませんが、ASP.NETの開発にも使えるようですし、今後仕事でも使うことになるかもしれないEW2。なかなかの好印象でございました。

とはいえ、最終的にはツールの性能よりもデザイナのセンスのほうが重要なWebサイト作成。
出来上がりは見ての通り、従来とあまり代わり映えのしない結果になってたりしますが、それでも前よりはいくらかマシになったかしらん、くらいに思っていただければせめてもの救いであります。

ちなみにメイリオフォントを第一優先で指定しているので、Windows Vistaで見ていただけるとよりキレイに読み易く表示されると思います。

[ posted by ken ]


2008年09月20日

Google Chrome

少し前にベータ版がリリースされたGoogle Chromeが最近お気に入り。
とにかくサクサク動いて小気味良いのが最大の魅力です。

IE以外のWebブラウザというと、しばらく前にサブとして使っていたOpera、v3.0リリースが騒がれていたので試しに入れてみたもののほとんど触っていないFirefox、くらいしか使ったことがないのですが、どちらもカスタマイズして使わないとダメだろ的な空気が漂っているのが馴染めず、結局IEをメインで使っているというのが現状。
ちなみにIEも、主に使っているのはIE6のほうで、タブ付きのIE7は未だにメインになっていなかったりします。

まぁ、個人的にはそんな状況の中に突如現れたChromeですが、軽いノリでインストールしてみたらば、これが予想外に使いやすかったわけです。
インストール時に複雑な設定は必要なく、IEの各種設定は引き継いでくれるし、何より起動が速い。
UI周りはIE7に似た感じなので違和感は少なく、オプション設定も必要最小限のものだけなので非常に分かりやすい。
タブをドラッグするだけで別ウィンドウとして切り離せるのも直感的な操作性に貢献していて、見た目も使い勝手もとにかくシンプルかつスマートなイメージ。
これで動作がモッサリしていたら、あまり印象に残らないしょぼくれたブラウザになってしまいそうなところですが、バランスが絶妙です。

今のところはまだベータ版ということで、サイトによってはタブがフリーズしたり(SonyStyleの購入ページはなぜか確実に発生)、Flashプラグインがたまにコケたり、Javaアプレットを使うために最新のベータ版Javaランタイム(Java SE 6 Update 10)を導入する必要があったり、と個人的に気になる部分がいくつかあったりもするので、まずは機能面の充実よりも安定性の向上を中心にバージョンアップしていってもらいたいところです。ま、Chromeの場合、タブやプラグイン毎に別プロセスとして起動されるので、フリーズしたりしてもダメージは最小限なわけですが。(一度だけChrome全体の再起動を要求される事態になりましたが、そのときは再起動前の状態が復元されて感心した次第)

仕事ではともかく、プライベートで使うぶんにはなかなかに魅力的なWebブラウザなので、興味のある方は是非一度お試しあれ。

[ posted by ken ]


2008年01月31日

新s あらたにす(日経・朝日・読売)

インターネットを利用し日々様々な情報を検索しています。

今日は、中国製ギョーザの食中毒事件で大騒ぎになっていますが、
きょう、朝日新聞・日本経済新聞・読売新聞によるインターネット共同事業
「あらたにす」が始まりました。
これはひとつのウェブサイトで3紙の主な記事や社説を
読者が読みくらべることができ、それぞれのニュースサイトにも
簡単に接続できます。

「あらたにす」では、これはひとつのウェブサイトで3紙タテに3分割して
各社の見出しと要約を掲載しています。
「くらべる一面」「くらべる社会面」「くらべる社説」といったコーナーのほか、
注目テーマや書評も読み比べることができ、
全文を読みたいときは、見出しをクリックすると
各社サイトに飛ぶことができるというサービスです。

自宅で複数紙を購読している方は少ないと思います
お試しください。

因みに、
この3社の連合に加わらなかった毎日新聞では
2007年10月にニュースサイト「毎日.jp」をリニューアルし、
来訪者が増えたそうです。

[ posted by izu ]


2007年08月03日

グーグル検索エンジンのマルウェアの警告機能

マルウェアの警告機能とは
マルウェアに感染したWebサイトやスパイウェアをばら撒くサイト、
不正なプログラムをダウンロードさせるサイトへのアクセスをブロックするもので
「このサイトはコンピュータに損害を与える可能性があります」と
検索結果ページにメッセージを表示し、直接のリンクを行いません。
(サイトのURLは表示されるのでWebブラウザに直接入力すればアクセスは可能)

グーグルがサイトを判定する基準は、グーグルやサン・マイクロシステムズ、
レノボ、ハーバードロースクール、オックスフォード大学が主導している
スパイウェア対策プロジェクト「StopBadware.org」のレポートがベースだそうです。
ユーザーにとっては、グーグルの検索結果からWebサイトの危険性が判断でき、
安心してサイトにアクセスできるのでありがたい機能ですが、
ネットビジネスを行う企業のWebサイト担当者にとっては、一つ仕事が増えた感じではないでしょうか?

因みに
マルウェア【malware】とは
コンピュータウイルス、ワーム、スパイウェアなどの「悪意のこもった」ソフトウェアのことで
「mal-」という接頭辞には「悪の」という意味があり、これとソフトウェアを組み合わせた造語だそうです。

ウイルス対策は、ウイルス対策ソフトもありますが、
怪しいサイトは見ない、身に覚えのないメールは開かず、即、削除、
メールアドレス等、むやみに公開、登録しない
という「見ざる、聞ざる、言ざる」が有益かと思います。

ウイルスといえば、新型インフルエンザのワクチン開発をめぐり、
鳥インフルエンザの人への感染が最多のインドネシアなど途上国側が提供した
鳥インフルエンザウイルスに「知的財産権」を認めてほしいと主張しているそうです。
コンピュータウイルスの「知的財産権」を主張する方はいないでしょうが、
どちらのウイルスもワクチンの製造企業に利益貢献しているようですね。

[ posted by izu ]



2007年06月07日

データバインド

HTMLとは、HyperText Markup Languageの頭文字をとったもので、
どのような形式で表示するかという観点の言語なので
Webページはサーバーサイドで処理した静的なHTMLソースが
クライアントサイドで表示されるだけで
新たな処理はサーバーへの要求が必要でした。

Microsoft© Internet Explorer 4.0より組み込まれている
データバインディング機能を使用すれば
クライアント側非同期にデータがダウンロードされるので、
ページは即座に表示され、反応が早くなります。
一度データをダウンロードしてしまえば、サーバーとのやり取りなしに、
データの並び替えやフィルタによる絞込みが行えます。

HTMLドキュメントの外部に、データベースとしてCSVファイルなどの、
各レコードごとに区切られたテキストファイルとして格納し、
データの変更は、そのデータベース内のデータだけを変更すればよく、
対象のWebページだけでなく他のページでも、その変更が反映可能となります。

Internet Explorer 4.0では、以下のデータソースオブジェクトを利用できます。

Tabular Data Control (TDC)
Remote Data Service (旧称ADC)
JDBCアプレット
XMLデータソース
MSHTMLデータソース

Tabular Data Control (TDC) の紹介は
データバインド入門」などで解説されているので
興味のある方は参照してください。

[ posted by izu ]